「FIRE4%ルールは危険」説。株価と為替のダブル暴落を想定した「0.8%ルール」とは

2026年8月29日

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FIREの定番「4%ルール」に、見落とされているリスクがある

FIREを目指す人なら一度は聞いたことがあるはずの「4%ルール」。資産の4%を毎年取り崩せば、長期的に資産が尽きないという有名な考え方です。

ただし、このルールにはひとつ見落とされがちな前提があります。

米国株中心・自国通貨(ドル)で生活する人のためのルールだ、ということです。

日本円で生活しながら米国株などの海外資産を運用している場合、4%ルールにはもう一つのリスクが上乗せされます。

為替です。


株安と円高は、同時にやってくる

株価が暴落するタイミングは、実は円高(自国通貨高)が進むタイミングと重なりやすい傾向があります。「有事の円買い」と呼ばれる動きです。世界的にリスクオフの局面になると、投資家は資産をより安全とされる通貨に逃避させる動きを見せることがあり、円もその対象になりやすいと言われています。

つまり最悪のケースでは、

・株価が半分になる(×0.5)

・同時に為替も円高で資産価値が半分になる(×0.5)

という2つの下落が重なります。

円換算での資産価値は、

0.5 × 0.5 = 0.25

実質4分の1まで目減りする可能性がある、ということです。


だから「4%」ではなく「1%」、そして余裕を持たせて「0.8%」

「資産が4分の1になっても、生活が破綻しない取り崩し率」を逆算するとどうなるか。

4% ÷ 4 = 1%

これが、株安と円高が同時に来た最悪ケースでも耐えられる、取り崩し率の上限ラインです。

ただし、ちょうど1%を目指してしまうと、少しの誤差や想定外の値動きで簡単に超えてしまいます。そこで私は、あえて少し余裕を持たせた

「0.8%」

を基本ルールにしています。「株安×円高」という複合リスクを織り込んだうえで、それでもまだ少し余裕がある水準。これが、4%ではなく0.8%を選んでいる理由です。


ルールはシンプル。「資産残高×0.8%」を年間生活費にする

基本ルールはひとつだけです。

資産残高の0.8%を、年間生活費の目安にする

資産額ごとの年間・月間生活費の目安は次のとおりです。

資産残高 年間生活費(0.8%) 月額換算

6,500万円   52万円   約4.3万円

8,000万円   64万円   約5.3万円

1億円     80万円   約6.7万円

1.5億円    120万円   約10万円


資産が増えれば使えるお金も自然に増え、旅行や趣味に回す余裕も出てきます。逆に減れば生活費も抑える。資産が増減する両方向にルールが機能するのがポイントです。


もし本当に資産が4分の1になったら?

6,500万円が、株安×円高のダブルパンチで4分の1の1,625万円になったとします。

それでも年間52万円の生活費を維持するなら、取り崩し率は、

52万円 ÷ 1,625万円 = 約3.2%

運用益を一切考慮せず単純に取り崩すだけでも、

1,625万円 ÷ 52万円 = 約31年分

の余裕がある計算です。想定していた「最悪のシナリオ」が実際に起きても、生活が即座に破綻するわけではない、という水準を保てます。


過去の暴落を並べても、かなりの余裕がある

株式市場では、これまでにも何度も大暴落が起きています。代表的なものだけでも、

リーマンショック:約−56%

ITバブル崩壊:約−49%

コロナショック:約−34%

これらに為替の変動が重なったとしても、「生活費に対して十分すぎるほどの資産が残る」という水準は崩れません。将来これ以上の下落が起きないとは限りませんが、「暴落しないこと」を前提にするのではなく、「株安と円高が同時に来ても生活できること」を前提にFIREしたいと考えています。


暴落時に大事なのは「売らなくても生活できること」

株式投資では、暴落そのものよりも、暴落したタイミングで生活費のために大量売却してしまうことのほうが問題になりやすいものです。

年間生活費が300万円必要なら、暴落した資産から毎年300万円を売らなければなりません。一方、年間50万円程度で足りるなら、現金なども活用しながら最小限の売却で乗り切れます。株価が下がっている間も残った資産を運用し続けられ、市場が回復すれば資産は再び増えていく可能性があります。

つまり目指しているのは「暴落を予測するFIRE」ではなく、「株安×円高が同時に来ても売らなくて済むFIRE」です。


私にとってのFIREは「大金持ちになること」ではない

「1億円貯めて年間400万円使って暮らす」といったイメージを持たれがちなFIREですが、私が目指しているものは少し違います。

大事なのは「どれだけ大きな資産を持っているか」ではなく、「どれだけ少ないお金で満足して暮らせるか」。生活費が小さければ小さな資産でもFIREに近づけますし、暴落したときのダメージにも耐えやすくなります。これは「資産を増やす」戦略であると同時に、「必要資産を減らす」戦略でもあります。


まとめ

4%ルールは、米国株・ドル生活が前提。円で生活する人には「株安×為替」の複合リスクが上乗せされる

最悪のケースでは資産が実質4分の1になる可能性がある

4% ÷ 4 = 1%が耐えられる上限ライン。余裕を持たせて「0.8%」を基本ルールにしている

年間生活費 = 資産残高 × 0.8% というシンプルなルールで運用する

資産が4分の1になっても、生活費に対しては十分な余裕が残る計算になる

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